【2019/1/3(木)の相場について】①何が起きたのか? ②資金はどこに行ったのか?
こんにちは、smorceです。
1/3(木)に大きく相場が動きましたが、自分のための勉強という意味も込めて、相場について以下の2点から本記事を執筆してみたいと思います。
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①何が起きたのか?
②資金はどこに行ったのか?
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①何が起きたのか?
いきなりで恐縮ですが、①については既に多くの方が解説されているので私から補足することは特にございません。
ですので、ここでは参考になった記事を紹介したいと思います。
良く分かりやすかったのは、以下の「にこそくさん」のツイートです。
FX「ストップロスを巻き込んだオーバーシュート」
— にこそく(市況民) (@nicosokufx) 2019年1月3日
①日本休場⚠️
②早朝の薄商い時間帯⚠️
③アルゴリズム取引(トレンドフォローの売り)
④次々にストップロス巻き込み
いわゆる買い板が薄い中で、
買い方の損切りを巻き込みオーバーシュート
今後
売られ過ぎの反発
落ち着きどころの価格を探る展開 pic.twitter.com/VvkKTMlneF
より詳しい解説としては、以下の田畑さんの記事が参考になりました。
ロスカットされた方のツイートも掲載されています。
お二人の意見を参考に、私なりに今回の下落を簡単にまとめますと以下の通りです。
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◯前提となる相場環境
・正月相場で商いが少なかった。日本市場は休場でアメリカのトレーダーもお休みだった(恐らく動き出すのは7日以降…)
・日本人のポジションが円売り(ロングポジション)に偏っていた
・売買の85%はシステム(アルゴリズム)による取引で占められている(※)
(※)参考記事:http://ur0.link/P0Mz
◯起きたこと
・アップルの下方修正がトリガーとなり、ダウは大幅下落
・さらにアメリカと中国の景気後退懸念が後押し
(米ISM製造業景況感指数の悪化、中国製造業PMIの悪化)
↓
・ドル売り/円買い の リスクオフ に
↓
・商いが少なかったことでドル円は急落(ドル売り・円買い)
↓
・急落に反応し一斉にシステム(アルゴリズム)が円買いに。さらに円買いが加速しドル円は下落が加速
↓
・日本人のロングポジションを巻き込んで大量にロスカットが発生。さらに下落が加速
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ロスカットも落ち着き下落が一段落したところで急反発しました。
今回の急落は正月相場という特殊な環境で起きたことだと思っていますのでそこまで心配していないのと、EAの運用であれば7日から始めるのが定石だと思いますので、特に気にする必要はないかなと思っています。
また、VIXも落ち着き始めていますが依然として20を超えている状況ですので、EAを動かすにはまだ早いかなと考えています(^^) 手を出すのであれば、ハイリスクな相場であることを自覚した上で実施すると良いですね。
また、今回の下落はアップルの下方修正がトリガーと疑われていますが、トリガーが何かというよりも、そのニュースを受けて投資家たちがどう動くのかが重要で、今回はドル売りのリスクオフを選択した、ということでした。
ですので、次の事項では投資家たちがどのように考えトレードしたのかをチャートを追って分析したいと思います。
②資金はどこに行ったのか?
さて、ダラダラと書きましたが、実は本記事の主題はこちらになります。①については皆さんが既に解説されていましたので、私は②の解説に力を入れたいと思います(^^)
前述の通り今回の値動きは「リスクオフ」がキーワードでした。
そしてドル円が急落し、その他の通貨ペアも売られるという結果になりました。
ここでは1/3(木)の各通貨ペアの値動きと、為替以外のアセットがどういった値動きをしたのかを追い、リスクオフ時のマネーの流れを確認することで、投資家たちの動きについて解説したいと思います。
今回は様々な通貨ペアが売られる結果となりましたが、売られる=お金が消滅する、というわけではありません。売られるということは、資金の流出を意味し、同時に、流出した資金はどこかに流入していく、ということを意味しています。世界経済が循環している以上お金を一箇所に留めておくことはできず、投資家たちの思惑によって絶えずお金は流れていきます。
今回はリスクオフ時のマネーの流れということで、流出した資金は一体どこに流入したのかを見ていきたいと思います。
◯各通貨ペアの値動き(日足)
チャートが小さくて見づらいですが、1/3に大きく下髭をつけ売られています。EURUSDだけは特殊で大きな髭も見せず陽線になっていました。
こちらも大きく下髭をつけ売られています。
GBPAUDのみ異常な上髭ですが、これはGBPが買われのではなくAUDが強く売られたと考えるのが良さそうです。
概ね一通りの通貨ペアは売られ、リスクオフムードが強いことが分かります。
では、次に他のアセットを見ていこうと思います。
◯その他の値動き(日足、週足)
・ 原油は少し上昇
・ ダウ、日経は大陰線
・ GOLDは大陽線
原油の値動きは良く分かりませんが、ダウと日経は大きく売られリスク資産から資金が逃げているのが分かります。反対に比較的安全資産であるGOLDは強く買われているのが分かります。
こちらはバンガードの銘柄ですが、世界株式は大きく売られ、米国債券は大きく買われています。リスクオフ時の典型的な値動きになりますね。
ここで債券についてもう少し詳しく見てみようと思います。
米国と日本の国債価格及び金利も確認してみます。
・ 短期の米国債から資金が流出
・ 長期の米国債に資金が流入(金利は低下)
・ 長期の日本債は1日遅れで資金が流入
ということで長期債券に資金が流れていっているのが分かります。こちらも安全資産を買う典型的なリスクオフの流れになりますね。
まとめると株や為替などのリスク資産から資金が流出し、債券(特に長期)やGOLDなどの比較的安全な資産に資金が流入していることが分かりました。
さて、いかがでしたでしょうか?
今回はチャートの動きを追うことで投資家たちの思考を分析してみましたが、参考になりましたか。
ここからさらに個人や大口といった切り口でより詳細な分析もできるはずですので、ゆくゆくはそういったこともできるようになりたいと思います(^^)
あとがき
どなたかのツイートで書かれていましたが、
「ニュースによって相場が動くのではなく、相場を動かすためにニュースがある」
これを意識したいと思える1日でした。
smorce: