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資産運用の基本方針は「長期×分散×複利」

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こんにちは、smorceです。
この記事では、資産運用の基本方針について解説していきます(^^)

 

まず、資産運用の基本原則は「長期の積立運用」×「分散」×「複利」です。

 

以下の図は世界の株価指数に20年間つみたて投資した場合のパフォーマンスを表しています。

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出典:Morningstar Direct

 

2017年の時点で比較するとMSCIエマージングに投資した場合の成績が最も良い結果となっています。ですが、グラフを見て分かる通り、MSCIエマージングの乱高下は非常に激しいもので、2015年を過ぎたあたりでは下落幅が大きくて一位から陥落しています。

MSCIエマージングとは新興国に投資する株価指数のため、一般的にハイリスク・ハイリターンになります。資産運用の場合は長期投資が原則になる為、ハイリスクな商品に手を出す必要はありません。

MSCIエマージングを除いてみると次に成績が良いのがS&P500ですね。

S&P500を30年間複利で運用した場合

S&P500の30年間の平均利回りは10.7%です。
30歳から60歳まで、10.7%で複利運用した場合、以下のようになります。

 

上のグラフが毎月2万円を積立した場合、下のグラフが毎月4万円を積立した場合です。


■■■利回り:10.7%で試算■■■

【毎月2万を積立で30年後】
元本:720万円
資産:4993万円(運用益:4273万円)

 

【毎月4万を積立で30年後】
元本:1440万円
資産:9985万円(運用益:8545万円)

 

S&P500に毎月4万円で30年間積立投資した場合、資産は1億円弱まで殖やすことができました。毎月2万円だったとしても5000万弱まで殖やせるので十分な利益と言えます。

 

10.7%はあくまでも過去の数値なので未来もそうなるとは限りませんが、仮に半分の5%で運用した場合は、2万円の積立投資で1674万円、4万円の積立投資で3349万円となりますので、生活の一助になることは間違いありません。

 

POINT!

複利の説明は以下の記事で解説しています(^^)

複利を超える力。それは「複利」×「増配」の掛け算!

投資には2種類ある

投資には「インデックス投資」と「アクティブ投資」の2種類があります。 

 

インデックス投資
・市場全体に投資する手法
・ローリスク・ローリターン

 

■アクティブ投資 
・個別株に投資する手法
・ハイリスク・ハイリターン

 

ハイリスクな投資は資産を減らしてしまう可能性がある為、避けるべきです。つまり、資産運用として適しているのはインデックス投資になります。

 

インデックス投資はローリスクな分、リターンも小さくなりますが、その少ないリターンをカバーしてくれるのが複利運用です。複利運用は長期で行うことに意味があるので資産運用は一般的に長期目線で行うわけです。 

 

こちらの図を見て下さい。アクティブ投資とインデックス投資(この場合、日経225に投資)の成績の分布になります。

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アクティブ投資はハイリスク・ハイリターンと言いましたが、その内の7割が日経225(インデックス投資)に負けていて、3割はマイナスの成績になっています。
つまり、市場平均である日経225に勝つのは実際のところ相当難しい訳です。

インデックス投資を行えば、日経225に投資するのと同じことになる為、簡単に市場平均が取れ、かつ、広く分散することが可能です。
※日経225を買うということは、日本企業225社の株を買うことと同じ為、市場平均が取れ、かつ、広く分散することが可能なのです。

 

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出典:アセットマネジメントOne ETF用語集 分散投資

長期の資産運用の最適解

長期の資産運用では「インデックス投資」+「ドルコスト平均法」が最適解です。

 

インデックス投資とは指数に投資する手法のことで、指数に投資することで市場全体をカバーでき(十分な分散効果)、手軽に平均値を狙うことができます。

代表的な株価指数としては、S&P500、ナスダック、日経225、TOPIX、NYダウなどです。株価指数以外にも債券を指数化したものなど色々あります。

 

こちらはS&P500の長期チャートです。長期目線では右肩上がりとなり、記事執筆時点では史上最高値を更新しました。

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出典:LIMO 過去30年間のパフォーマンスを振り返る

 

S&P500は1957年から算出され、62年の歴史のある米国株式市場を代表する有名なインデックス指数です。大型株から選ばれた500銘柄で構成されています。

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上記はS&P500の過去のパフォーマンスですが、30年の年率リターンは10.7%です。
預金金利を0.001%とした場合、1万倍以上の利回りになります。

S&P500に投資するインデックス投資を30年間実践した場合の試算結果は前述の通りです。 

時間分散効果について

資産を長期間保有した場合、時間分散効果が得られます。時間分散効果とは、長期投資によるリスク低減効果のことを指します。

 

こちらの図は、保有期間別の年平均収益率(1990年12月末~2016年12月末)を表しています。

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出典:三井住友DS投信直販ネット 応用編 「長期投資」という手法

 

見て分かる通り、保有期間が長くなるほど、ブレ幅(リスク)が小さくなっています。
つまり、資産を長く持てば持つほどリスクが低減していくことを示しています。

 

このことから、長期投資のメリットは、リターンが複利で増大していくことだけでなく、リスクも減らしていけるという二重のメリットがあります。

◯リスクとは?
投資における「リスク」とは「損失」のことではありません。「リスク」とは「ブレ幅」のことを指します。
例えば、期待リターンが10%で、リスクが3%の場合、高い確率でリターンが7%〜13%の間に収まる、ということを意味しています。もし、期待リターンが5%でリスクが10%なら、リターンは-5%〜15%の間で収まる確率が高いことになります。一般的に大損した場合「リスクが高い」と言われますが、大勝ちした場合でもそれは「リスクが高い」のです。

ドルコスト平均法

ドルコスト平均法のイメージは下記の通りです。

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ドルコスト平均法とは、毎月同じ日に一定額で買い付けて積み立てていく手法のことです。相場は上下に値動きしますので、下落すればその分多く買い増すことができ、逆に値上がりした場合は、少ない口数で買うことになります。


相場の値動きを予想することは非常に困難ですが、ドルコスト平均法を使って一定間隔で買い付けることで、初心者でも高値づかみのリスクを簡単に低減できます。

また、ドルコスト平均法は一定額で買い付けるので、平均取得単価を下がることが可能です。

インデックス投資で最も重要なもの「コスト」

インデックス投資で最も重要なものは「コスト」です。
「塵も積もれば山となる」と言いますが、長期投資ではリターンが複利で大きくなるのと同時に、コストも複利で増大していきます

 

例)毎月4万円を積立し、年利9%で運用した場合と10%で運用した場合の比較は次の通りです。

30年後には
・年利9%…7132万円
・年利10%…8685万円
となり、1553万円の差となります。たった1%の差で1500万円以上差が開いてしまうという訳です。

これはどういうことかというと、同じ市場に投資する商品Aと商品Bがあった場合、投資先は同じになる為、期待リターンは全く同じになります。ただ、商品の設計が違う関係でコストに1%の差がついていたとします。

 

商品A:期待リターン10.1% / コスト1.1% → 10.1-1.1 で年利9%の運用
商品B:期待リターン10.1% / コスト0.1% → 10.1-0.1 で年利10%の運用

 

商品Aを購入した場合は30年後に7132万円、商品Bを購入した場合は30年後に8685万円になる、という訳です。

(現実でこういうことがあるかは分かりませんが)商品Aはいわゆるボッタクリ商品です。商品Aを購入した投資家は30年後に1500万円の損失を被ることになります。

また、証券会社ごとに手数料体系は当然異なりますので、そこでも運用成績に差が出てきます。

 

コストが重要になる理由はもう一つあります。それはコストは投資家が唯一コントロールできることだからです。
将来のリターンは誰にも予測することはできませんので、これはコントロールできない領域ですが、コストに関しては安い商品を選ぶことだったり、手数料の安い証券会社を使うことだったりして、投資家が努力によってコントロールすることが可能な領域になります。

上記でも解説しました通り、コストを1%抑えるということは、実質リターンを1%上げる効果と全く同じです。

 

長期投資は手数料(コスト)との戦いになりますので、商品選びの際はこの点をしっかり意識することが重要です。

 

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