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③年金の話:年金の実態と人生100年時代の最適解

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こんにちは、smorceです。
この記事では【年金の話:年金の実態】【人生100年時代を生き抜く最適解】について解説していきます(^^)

 

年金の実態について

誤解されがちなのですが、年金は国民に用意された将来のための 「貯蓄制度」ではありません。
年金の実態は「保険」でして、生活基盤としてのお金を支給する国が用意したセーフティネットになります。
ですので、国がお金を準備してくれる制度ではありません。

 

給与明細に「保険料」と記載されているのは、年金制度が保険だからです。

そして、この年金制度は国全体で制度化された相互扶助(そうごふじょ)の制度です。つまり、国民全員が助け合ってこの制度を支えているわけです。

 

相互扶助と言える理由は、
・ 20歳以上で加入するのが国民の義務になっている
・ 年金受給者も消費税などで制度を支えている
・ 厚生年金の半分は企業が負担している
というように、日本に所属している若者・高齢者/個人・法人問わず、この制度を支えているからです。

 会社員が加入する年金制度

会社員は
1)国民年金(基礎年金)
2)厚生年金
の2つ(2階建て)の年金制度に加入しています。①は20歳になったら強制加入、②は企業に属したら強制加入です。

このうち、国民年金は保険としてのコストパフォーマンスが最強レベルで、超お得な制度になっています。

年金は保険なので特定のリスクをカバーしているわけですが、国民年金の場合は、

・老齢年金(長生きリスク)
・遺族年金(死亡リスク)
障害年金(働けなくなるリスク)

これら3つのリスクをカバーしてくれます。 しかも年金は死ぬまで受け取れる為、終身保険になります。

圧倒的すぎるコストパフォーマンスゆえに、民間が販売している保険で国民年金以上の保険は存在しません。

 国民年金

国民年金は、年齢や所得にかかわらず定額で、月額約1万6,500円を納付し、受給者は月額約6.5万円の年金を受け取ります。この事実から誰でも簡単に利回りを計算できるため、年金受給者は必ず得するように設計されています(利回りがマイナスにすると誰も保険料を納付しなくなる為です)。

また国民年金の保険料は給料から天引きされる為、未納の割合は非常に少なく、未納率はたったの3%です。未納するケースは自営業者や学生などですが、未納することで満額を受給できなくなるどころか、消費税などを通して保険料は納めている為、「支払っているけど受け取れない」状態となり、大損することになります。なので、未納することはおすすめできません。

 

【平均的な利回り】

国民年金の40年間の支払い総額は787万6800円となり、男性と女性の平均余命から受給総額を計算すると、男性が約1500万円、女性が約1900万円となります。

男性は1.9倍、女性は2.4倍となり、男性が年利2.17%、女性が年利2.69%で保険料を運用していることになります。

約10年で元を取れる計算となる為、それ以降は死ぬまでお金を受け取るだけになります。

 厚生年金

厚生年金の支払い総額は約4900万円となり、平均受給額は男性で月額16万5668円、65歳の平均余命で計算すると総額3900万円にしかなりません。その為、1000万円ほどの損失となり、利回りは大幅なマイナスとなります。
ですが、会社員の人ならば厚生年金は強制加入の為、利回りがマイナスでも現行の制度では脱退することはできません。(それが嫌でフリーランスになる人もいるくらいです。)

厚生年金の利回りがマイナスでも一般的に問題にならないのは、ねんきん定期便の記載方法にあります。

 

 

厚生年金の保険料の半分は会社負担ですが、この会社負担分は高齢者の年金支給のために没収されています。ねんきん定期便に自己負担分しか書かれていないのは、自己負担分と会社負担分を合わせて記載すると、払った保険料の半分しか受け取れないということが明確にわかってしまう為、記載されていません。

この記載方法だと、支払った保険料の総額が2500万円で、総受給額が4000万円近くになるので、利回りが圧倒的にプラスに見える、というカラクリになっています。

 よくある誤解

厚生年金の方が受給額が大きいので「厚生年金の方がお得」と勘違いされるケースがあります。ですが、これは間違いで、厚生年金の利回りはマイナス、国民年金の利回りはプラスの為、国民年金の方が圧倒的にお得な制度になっています。

 

国民年金の受給額が少ないのは、単純に支払っている保険料が少ない為です。
厚生年金の場合、会社負担込みで、国民年金の保険料の6.6倍を支払っています。
一方で、受給額を見ると、厚生年金は国民年金の2.5倍しか受け取っていません。

人生100年時代を生き抜く最適解

上記の記事でも書いたように、これからの時代は「人生100年時代」です。 人生100年時代では「長生き」することがリスクになり、それは即ち、定年後の老後の期間が長いことがリスクとなることを意味します。

 

■リスク
定年後の老後の期間が長いこと

 

■リスクに対する最適解
・自助努力によって足りない分の資産を確保すること
・できる限り長く働くこと
・年金はできるかぎり繰り下げて受給すること(最長70歳まで可能)

 

定年後の老後の期間が長いことがリスクとなるのであれば、なるべく長く働き、かつ、年金の受給タイミングも遅くすることで、老後の期間を短くする&年金の受給額を増やすのが最適解となります。

つまり、「長く働く」ことと「年金の繰り下げ」を同時に行うのが効果的と言えます。

 

現行制度では、70歳まで年金受給を繰り下げると、65歳からの年金に比べて受給額は42%増えます。65歳の平均的な厚生年金の受給額が月額16万6000円ですが、70歳に繰り下げると月額23万5000円に増えます。
これは年金資産を年7.26%で運用したのと同じ効果になります。

総受給額でみると、65歳からの受給では3890万円に対し、70歳からの受給では4440万円となるので、500万円以上の差ができます。仮に共働き夫婦が70歳まで年金を繰り下げると月額35万円ほどになるので、かなりゆとりのある暮らしができるはずです。

 

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