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①年金の話:導入編

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こんにちは、smorceです。
この記事では【年金の話:導入編】について解説していきます(^^)

 

今後の日本社会ってどうなっていくの?

2019年に金融庁が発表した「老後資金 2000万円不足」問題で、年金に焦点が当たりました。このニュースが端を発し年金不安は拡大、年金デモも行われました。

年金デモの主な主張は「武器を買わずに年金を払え」です。「年金は貰えない?」「年金制度は破綻する?」など不安は拡大しています。

 

年金ってどうなるの? その結論は…

年金制度は破綻しません! 年金は確実に貰えます。
ですが、貰える額は少なくなります。

これが結論です。
では、「貰える額が少なくなる」とはどういうことか、説明していきます。

 

今後の日本社会は…

・日本の年金は賦課(ふか)方式で、現役世代が高齢者を支える仕組みになっています。分かりやすくいうと「タイムマシンでお金を仕送り(若者→高齢者)」しているイメージです。そのため、超少子高齢化によって必然的に若年層の負担が重くなります。自分たちが年金を受取るときは、その世代の若年層が負担してくれます。

 

・日本人口の見通しですが、2100年には7500万人まで減少します。減少の見通しは加速しています。

 

・働く世代の負担は日本が世界一です。超少子高齢化が影響しており、2040年が負担のピークと言われています。

 

■日本の人口ピラミッドの予測

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出典:PopulationPyramid.net 世界の人口ピラミッド(1950~2100年)

 

2040年には年金受給者の層が最も厚く、若い人ほど人数が減っています。
つまり、賦課(ふか)方式の日本では、超少子高齢化により若者の負担が大きくなる、ということです。

年金制度を100年維持する為には社会保険料の負担を重くし、年金の支払額を減らすしかないので、将来的には貰える額が少なくなる、ということです。 

[中級編]年金は現役世代の所得の半分くらい

以下の話は[中級編]になるので読み飛ばしてもらっても問題ありません。

 

人口ピラミッドの形が変わっていくのにずっと同じ額で年金を支給し続けていけば、
いずれ年金制度は破綻してしまいます。そうならないようにする為に2004年に導入されたのが「マクロ経済スライド」です。(デフレ下では発動されない仕組みですが、2015年に一度だけ発動した実績があります)

マクロ経済スライド」は、現役世代の減少や平均余命の伸びなどそのときの社会情勢に合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組みのことです。

このマクロ経済スライドを用いて年金の給付水準を決めていくのですが、給付水準の目安になるのが「所得代替率」です。

 

所得代替率」とは現役世代の所得に対して、何%の割合で年金を支払うかを表しています。

現在の所得代替率は50%を目安に運用されていますので、現役世代の所得の約半分を年金として支給している、ということになります。この所得代替率が下がっていけば貰える年金の額も減っていくことになります。

2014年の時点では所得代替率は62.7%で、2018年は50%前後となっています。将来はどの程度になるか分かりませんが、人口の推移から考えて低下していくのでは?と考えています。

-------[中級編 ここまで]---------

日本は社会福祉にどれだけお金を使っているのか?

国防で議論になる費用は「軍事費」と「福祉費」です。いわゆる「大砲か、バターか」議論です。

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出典:国税庁 税の学習コーナー [国の財政] 歳出~社会保障関係費~

 

上記の円グラフは国税庁が発表しているものです。

・ 防衛費5兆円に対して社会保障関係費は33兆円で、6倍以上の支出
・ 一般歳出における社会保障関係費の割合は56%。約6割を社会保障に使っている

◯一般歳出とは?
支払う義務のないお金で、国が公共的な観点から各種の施策を講ずるための政策的経費のこと。

防衛費に対して6倍以上の支出となっており、一般歳出の割合で見ると約6割を占めています。ちなみに、対GDP比でみると25%ほどを社会保障関係費として使っています。

 

こうしてみると、「バター」に偏っていることが分かりますね。ですが、世界でみるとまだ低い方ではあります。

[よくある誤解]100年安心!の意味

「100年安心」という言葉が独り歩きしてしまい誤解を生んでいます。「100年安心」の意味は「年金を貰えば100歳まで安心」という意味ではありません。

 

これは年金の支給額を減らしながら、保険料を引き上げていけば、理屈上では年金制度は「100年耐えられる」という意味ですので、誤解のないよう注意してください。

 

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